【2018春版】TVドラマをできるだけたくさん見て感想を書くブログ

脚本家目線で2018年春のTVドラマをできるだけたくさん見て感想をまとめます!

コンフィデンスマンJP②(2018/4/16放送):悪役のスケールはジャイアン並み

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マジかよ」と目を疑った第1回より、断然面白くなっていました。荒唐無稽さは第1回よりだいぶ抑えられていた点(それでもよっぽどだけど第1回が酷すぎた)、悪役の吉瀬さんも「なぜそうなったのか」という説明があった点、あとは冒頭のシーンがきちんと機能した(小日向さんだったから)点がプラスでした。

 

 


第2回の総評・・・★★★☆☆☆


1. 全攻撃を片腕で受けそうなロシアンマフィア

しつこいので前回との比較はここで終わりにします。っていうか第一回の「ゴッドファーザー編」と比較するなんて、言ってみれば、18歳の高校生が小学3年生にかけっこで勝ったぜ俺速いって胸張ってんのと一緒ですからね。


てなワケでだいぶハードルが低くなっている状態で見た第2回の「リゾート王編」でしたが、とりあえず冒頭のロシアのマフィアの安っぽさは何だ。スーツにサングラス。マトリックスキアヌに憧れてサングラス掛けてた俺の小6時代を思い出したぞ!

右腕を非常にシンプルに動かして全ての攻撃を受けきっていた、あのキアヌにだ!

 

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なんて安っぽさを指摘していたらこのドラマの感想が「安っぽい。はい終了」になってしまうので、今後はこのドラマについては「安っぽさは指摘しないこと」をルール化したいと思います。


因みに、安っぽさっていうのはセットとか衣装とか、表面的なところだけじゃないっすからね。って結局安っぽいって言ってしまうので、今後もたまには言っちゃうかも!ただ、「安っぽい」という言葉がいろんな意味を包括し過ぎてて感想や評論に使うのに推奨されるワードじゃない事も確かなので、気を付けます。

言うてもこのブログも安っぽいっすもんね。
うるせッ!


2. ”リゾート編”の魅力は何だったのか

良いなと思ったのはオープニング、吉瀬さんのバックボーンの2つですかね。

 

まずオープニング。ここはもう小日向さんさすが、という感じ。堅物の寿司屋のオヤジを「コントとドラマのいい感じの狭間」で演じてみせるのは、熟練の為せる技としか。というか全編渡ってドラマでの「コント感」の扱い方は「さすが」という感じなんですが、このシーンは彼が「寿司屋のオヤジを演じている」という劇中劇、ドラマの中のコントというシーンなので、その技術が一層際立つワケです。

 

なのでこのシーンでは東出さんの圧倒的棒読み演技もなんか可愛く見えてくる

(あ、東出さんが棒なのか棒じゃないのかという議論があるみたいですが、棒です。「じゃああんなに売れてんのはなんでよ!」とファンが唾飛ばしながら怒りそうですが、「知らんがな」としか答えられへん。でも棒なんや。まっすぐ、すごくまっすぐなんや。でも絶対良い人なんや。

 

詐欺が題材である以上、劇中劇のシーンは必然的に多くなりますが、シーンの設定と小日向さんの演技がバチっとはまると面白いシーンになります。

もう一つ良いなと思ったのが吉瀬さんのバックボーン。「なぜリゾート業を支配したがっているのか」が説明されていて、なんかちょっと感情移入してしまう部分もあり。なのでラストの、新たにやり直すために開いた小さなゲストハウスで、吉瀬さんが床磨いてるシーンとか良かったですよね。「頑張れ」って素直に思いました。


3. ヤクザの事信じてる時点でもう餌に掛かってるよね

あんまり詐欺の完成度というか「この時点でバレるやん」とか指摘するのは重箱の隅をほじくっているようでやりたくないんだけども、ヤクザの件についてはめちゃくちゃ気になりました。

お察しのとおりヤクザも詐欺師たちに丸め込まれてました(or 最初から詐欺師たちの仲間だった)という種明かしがあるんだけども、いやいや、吉瀬さんにヤクザを信用させるのが一番難しいだろと。なんか長年信頼してるみたいな描き方してたけども。

 原則として、一番難しい所を「いやそういう設定なので」とはしょるのはルール違反です。プリズン・ブレイクで「彼らは、まあとりあえず牢屋を出る事には成功しまして、さあ今度は壁を登らないといけません!」なんて展開だったらみんな怒るでしょ。

それをこのドラマはやってるんですよ!どうやって彼女はそのヤクザ(役)と知り合って、どうやって信頼を勝ち得たんですか!

アクロイド殺しもびっくりのルール違反です。あ、そういえばアクロイド殺し三谷幸喜さんでドラマ化されてましたね。見ときゃよかった。因みにアクロイド殺しは「小説の語り手が犯人でした」という当時「ルール違反だろ」と物議を醸したアガサ・クリスティの小説です。


4. 相変わらず強い女が苦手な吉瀬さん:腕組みムズイ

「シグナル」の感想でも書いたんですが、吉瀬さんの「強い女の演技」はやっぱりちょっと無理があるっぽい。如実に表れるのが腕を組んでる時。見た方はなんとなく伝わると思うんですけども、腕を組んでる姿が絶妙にわざとらしい。フワフワしてる。「演技してます」感が半端じゃない。そうするとどうなるか。なんか見ててこっちが恥ずかしくなってくるんですよ。
で、「シグナル」評でも言ったかもですが、こういう女優さんってめっちゃ多い!!!体の使い方学んでください!そしたら誰でもできるようになるから!練習あるのみです。


5. 悪い口コミを書くだけのチンケなやり口

で、実はそれ以上に気になったのが悪役の設定。
どんな作品にも共通する「作劇のルール」というか、法則があって、悪役の魅力は作品の面白さに比例するこれはもう絶対です。

悪役がしょぼいと作品もしょぼいです。当たり前ですよね。すぐ倒せちゃう悪役だったらつまらんし、そもそも倒す価値あるっけ?って首を傾げたらその時点で誰も見なくなりますから。

で、吉瀬さん演じるリゾート王のやり口がめちゃくちゃセコイんですよ。


安く買いたたきたい旅館があります。どうすると思います?・・・口コミサイトで悪い評価をたくさん書き込む!マジか!ヤクザとかと平気で付き合うクセに肝心の旅館買収はそんなんか!キーボードカタカター!!

もう一つは高級ブティックのシーン。他の客が手に取った服を見て「あ、あれ欲しい」と思った吉瀬さん、店員に「あれ、私が予約してた服よね?」と言って横取り。

ちっちゃ!ちっちゃ過ぎる!ただのジャイアンじゃねえか!

そういうのが、「リゾート王に、俺はなる!」という設定とミスマッチで、魅力を非常に削いでいるんですね。

感想を簡単にまとめると、「星野リゾートに喧嘩売ってるな」という内容でした。誰が見ても星野リゾートさんの事だからね。

次回も楽しみ!ライザップ辺りが叩かれるのかな・・・?